団地に住んでみたかった
団地。
群馬の平野に住んでいたわたしにとって、ほど遠い存在であった団地。
これまでなんの興味もなかったのに急に気になってしまったのは、シャムキャッツの夏目氏の団地コラムを読んだからです。
読んでもらえればわかるけど、団地って、なんだかおもしろい。
知らない人達同士がとても近いところで生活して、コミュニティをつくっている。
家族じゃないけど家族みたいな距離感のコミュニケーションに、途端に憧れの気持ちを抱いてしまったのでした。
わたしの家の周りは住宅街だったので基本一軒家に皆住んでいて、マンションに住んでいる人が珍しく、ましてや団地に住んでいる人はほぼ皆無でした。
だからわたしの世界に団地は存在しないとほぼ同義であったし、団地に住むってどんなだろうなんて考えたこともありませんでした。
でも、このコラムを読んで、考えずにはいられなかった。
もしもわたしが団地に生まれ、団地で育っていたならば。
わたしにとっての団地が、ただいまとおかえりが行き交う場所であったならば。
同じ団地のおじさんに怒られ、その時はなんだよと思っても後々叱ってもらえてよかったなと感謝したかな。
団地の派閥に巻き込まれ、大揉めし、あーもー早くこんなとこ出て行きたい!って思ったかな。
同じ団地に住む男の子と恋に落ち、家族が寝静まったあとにこっそり抜け出したりしたかな。
団地に住んでいる自分への妄想が止まらない傍ら、いまもわたしの知らないところでたくさんの知らない人たちが団地で暮らしているということの現実味のなさに、知らない国のおとぎ話のようだとも思うのでした。
(なんの話?て感じだと思いますが、日々こんなことばかり考えています。おしまい)